|
結局あの後、リーマスと私は、気分を持ち直したハリーとロン、 ハーマイオニーの質問攻めにあった。
私達は互いの顔を見合わせて噴き出してしまった。
リーマスが「残念だけど先生にはちゃんと恋人がいらっしゃるよ」と笑うと、 3人の落ち着くはずだった好奇心は、 さらに火が着いてしまったように、熱を上げ目を輝かせた。
「――16よ」
「君が出会い頭に抱き付くからだよ」 (…そういえばそんな行動も仕出かした…) 「……―聞いても構わないかな」
「…戻って来ようと思ったきっかけはなんだい?」
そのまま歩き続け、廊下の角を曲がる頃、再び聞かれた。
「…どうして5年も姿を晦ましたの?って?」
「…もちろん、ダンブルドア先生は全てご存知よ」 「そうじゃなくて」
彼が言いたいことは重々承知している。 続く言葉は解っている。 それでもリーマスは敢てそれを口にした。
ある程度予想していたのかリーマスは続けた。
私の顔からはみるみるうちに血の気が失せ、今自分が蒼白だろうと構いもせず、 泣き出しそうな顔でリーマスを見据えた。
私の肩に手を乗せてはっきりと言った。
一体どんな目的で、君がこんなにもはちきれそうな旅を 選択したのかは気になるけどね。 だけどセブルスが知らない事を、私が先に知るつもりは無いよ」 「…ありがとう…」
「なんだい?」 「さっきボガートが見せた…あの黒い布の塊は―……」
ヴォルデモートもディメンターも恐れない。 私が最も怖れるのは――――――、セブルスの死―…。 彼が消えてしまう事が…私にとっての最悪の恐怖だわ」
青白い死顔―、口から一筋の赤い雫を滴らせ、 重力に任せるままに大地に打ちつけられ転がる―…最愛の人。
リーマスはもう何も訊かず、悲しげに微笑むと、支えてくれていた肩から手を離した。 ポケットから小さなチョコレートの粒を取り出すと、私の掌に持たせた。
ふっと笑ってチョコレートを頬張った。
(…誤魔化しきれてないわねえ…) おせっかいに口端で笑うと、気分は幾分か良くなっていた。 チョコレートの巧妙か、少し気分が落ち着いていた。
そして私も、あの愛する不機嫌顔の待つ、地下牢へ向かって歩き出した。
|
賢い狼にはさんがセブルスに首っ丈な事くらい、
とうの昔っから、お見通しなのです。
200806020 狐々音
―――――――――――――――――