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みんなは興奮に湧いて、ぺちゃくちゃしながら職員室を出た。
(トレローニーには死の宣告をされ、 ハグリットはマルフォイのせいで、クビにされてしまうかもしれない) 自分とボガードの対決を阻止された事が駄目押しとなって、 今日1日の全ての事柄が、理不尽に思えて仕方が無かった。
僕ちょっとルーピン先生と先生のところに寄って行きたいんだ」
ロンもすっかり心を奪われっぱなしだったから「もちろん」と笑った。 向きを変え、再び教室へ入ろうとした。
「私のはいいよ。それより…のあれは―、一体なんだい?黒い布の塊?」 「……―、ん。あらハリー、ロン、ハーマイオニー。 用があるのでしょう?どうぞ?」
教室に溢れている大量の椅子を勧められたので、腰掛けて先生に向かい合った。
スネイプ先生の授業にも、ルーピン先生の授業にも参加出来たんだもの」
すかさず僕が後を続ける。
「私がネビルを助けるのを邪魔しました」 「それにマルフォイの失敗した雛菊の根を僕に使わせた!」
んんんと唸って、困ったように眉を顰めた。
訳が解らず口を開けている僕たちを見て、 ルーピンが苦笑しながら「」と声を掛けた。
ただあんまりにも、セブルスらしすぎたものだから、つい」
「見ていたわ。ええ…全部見ていた。 優秀な彼はオレンジ色の薬が死に至らしめる薬では無いと知っていたし、 それでも万が一に備えて、 ポケットに緊急の解毒蘇生薬もちゃんと忍ばせていたわ」
やっぱりやりすぎです」
先生は悲しそうに微笑んだ。
…でも私には…ネビルに植えつけられた苦手を克服させてやろう、 という意味に聞こえたわ。 彼はね、理不尽の辛さをよく知っているわ。 そしてその理不尽さを恨む気持ちが、理不尽を克服した時の反動の強さも」
大事なトレバー失うかもしれないという恐怖をちらつかせる事で、 ネビルが今後注意力の欠如によって、 しなくてもいい間違いをするのを防ぎたかったの。 自分が恨まれてネビルが克服できるなら、彼は全く構わないのよ。 生徒に好かれたいなら他の先生と同じ様に 点数と猫なで声を出せば良いだけなのに、 それをしないのは―……。 …――セブルスの昔からの誤解を招く悪い所ね」
ネビルが一人で始めて一人で作りきらなければ全く意味を成さないから。 それにもし、万が一にでも、ハーマイオニーが出した指示が間違っていて… あるいはそれをネビルが勘違いして…、 それこそ本当に取り返しのつかない結果が、 トレバーとネビルに降りかかってしまったら? 二人とも傷付いて立ち直れないわ。貴重な友情も危うくなってしまう。 …――生徒同士がそんな責任を負うような真似は、教師はさせたくないものよ。 スネイプ先生は貴方達に背中を向けた時、私に "グレンジャーが指示を出しているか?"と聞いたのよ。 私はスネイプ先生の肩越しにネビルの手元を見て、 あの子が何をどれ位入れたのかを、スネイプ先生にお教えしたわ。 大丈夫、危険な薬は回避出来たわ―、ってね」
しかし反論するには今自分達が、 あまりにも恥かしい事をしてでかしているのではないかという気もした。
ちゃんと伝わらないし…それに傷付くわ。ごめんなさいね…ハーマイオニー」
僕たちはそれで気分を少し取り戻し、曖昧に笑い返した。 ルーピンが苦笑いしながら溜息を吐いた。
セブルスもここまで誤解を受けずに済むのにね」
あなたは努力して、素晴らしい理解者を何人も得ることが出来たわ。 …―セブルスは特殊ね。冷静に見て貰えれば良いはずなんだけれど…。 どうも私にしか解ってもらえないらしいから。 はっきり言ってとても損ね」 「ああ。君からの理解を得られるだなんて。ものすごい得だ」
率直な言葉を投げかけてみた。
だって先生の容姿があまりにもうら若く、 10代の可憐な少女と同じ様に瑞々しい…そんな事も魔法では可能なのだろうか?
どうしてスネイプ先生はあんな……いじわるを……仰るのかしら」 「昔からセブルスは恨まれることが仕事なのよ」
「そうね…つまり…」
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口が悪くて大人気ないセブルス。
まるでセブルス解読機のようなさん。
200806019 狐々音
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