9月1日、ロンドンからホグワーツ特急に揺られ、

夏休暇を終えた生徒達が到着する。

生徒達と一緒に、列車に揺られながら城に着いた男を見つけて、

早速が声を荒げた。


「…―リーマス!?」


ローブの裾をはためかせ、はルーピンに駆け寄った。

なんともみすぼらしい男は、美しい旧友との再会を

非常に喜んでいるようだった。

がルーピンに抱きついたので、

我輩は不快感を包み隠さず剥き出しにした。

(この狼め)

遠くの方で嬉しそうにルーピンと話をしていたは、

しばらくすると呆れたように我輩を睨んだ。

ニヤリと笑って睨み返してやった。

が諦めたように首を振って笑った。

昨晩、結局我輩はダンブルドアが言っていた

「懐かしい卒業生」の教師の名前をに教えなかった。

ちょっとした報復だ。

我輩は「これ以上詮索はしない」とは言ったが、

「仕返しをしない」とは言っていない。

それに―…少なからず彼らが親しかったことを認識している者ならば、

粋とは言わずとも、驚きに満ちた再会を演出してやらんでも無い。

積もる話でもあるのだろう。

一向にこちらに戻る気配も無いので、我輩は早々にここから立ち去ることにした。









 * * *









セブルスの些細な仕返しは、ちょっとしたサプライズに近かった。

私も私で、大人気もなくリーマスの名前を叫んで抱きついてしまったし、

(ぞろぞろと城に入っていく生徒たちは驚いていた)

リーマスはリーマスで、不健康によれよれしながらも、

その表情は嬉しくて仕様が無いという感じだった。


「やあ…!君にまた会えるなんてね。

 楽しみにしていたんだ。とても嬉しいよ」


なんとも親しみを誘う笑顔で、リーマスは私と握手した。


「私もとっても嬉しいわ。誰が来るのか教えてもらえなくて…、」

「セブルスだね?」


リーマスの目が悪戯っぽく笑った。

私は肩を竦めて笑った。


「ええそうよ。今も、あなたの後ろで抜け目無くこちらを睨んでいるわ」

「…私はあまりセブルスに好かれていないしね」

「私"も"でしょ?」

「ああそうだったね」


少しすると遠くの玄関口に立っていたセブルスが城の中に戻っていくのが見えた。

私たちものろのろと歩きながら、緩い傾斜を登ってゆく。


「―5年…と聞いているよ。団員はみんな心配していた。

 ああ…、でも本は出していたね。全く大したものだ。

 君の出した本はどれも本当に素晴らしい」

「あなたにそんな風に褒めてもらえるなんてとっても光栄だわ」


懐かしかった。

思い出を掘り起こすには十分すぎるこの学校の敷地内で、

こうやって旧友とまた並んで歩けるとは思ってもみなかった。

しかし会って早々シリウスの事など―――――お互いにとても口には出せなかった。























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列車でディメンターが出たので、

それこそちょっと心身よれよれなはずのリーマスです。

小休止程度のお話。

ささ、お次へお次へ…

200806019 狐々音