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クリスマス・ディナーはダンブルドアの差し出した銀のクラッカーで幕を開けた。 我輩が嫌々ながらにクラッカーを鳴らすと、 中からハゲタカの剥製を載せた大きな魔女の三角帽子が現れた。 (―非常に―不愉快だ―) ポッターとウィーズリーがニヤリと笑った事にも更に腹が立つ。 帽子をダンブルドアの方へ押しやると、 隣でくすくすと笑い続けているを睨みつけてやった。 ダンブルドアが食事を始めようと促し、皆様々なご馳走へと手を伸ばす。 そして実にさり気無く―そして抜け目無く― ダンブルドアは我輩とに笑いかけながら言った。
馴染みの呼び方で楽しく食事をしたらどうじゃろう」
親しい友人同士らしく、気楽になさい」
我々の痛ましい5年間を気に掛けているのだろうかと思った。
クリスマスにこんなことが起こるとは、まったく不幸なことじゃ」
ダンブルドアの朗らかな一声で幕は閉じた。
セブルス、ルーピン先生にまた薬を造って差し上げたのじゃろう?」 「はい、校長」 「その薬と一緒にケーキさえ持って行けば、 きっとリーマスは何も文句は言わないでしょう」
我輩とはグラスを傾けると、密やかに目でクリスマスを祝いあった。
「メリークリスマス、…」
中にはケーキやら蜂蜜酒やら大概甘いものが詰め込まれている。
憐れに思ったのか我輩の手からバスケットを奪う。
――リーマスだって今夜は来て欲しくないわ」 「…ああ」
そうして集中する事によって、生徒たちの消え失せた、 本当に静かな夜なのだと改めて痛感する。 先刻まで微かに鳴り響いていた鐘の音は、違う音色へと変化した。
「……―――」
少しとろんとした口調で返事をする。
目を少し落ち着き無く動かし、だがはっきりと呟いた。
にずっと居て欲しい、共に…生きたい」
それだけが今まで無かった――ものだから。 彼女の左手をそっと掬い上げる。
我輩は不確かな物には誓わない」
ローブのポケットで弄んでいたそれを、――指輪を嵌めた。 の目から綺麗な雫が幾筋も零れ落ちる。
を真っ直ぐと見据え、口角を吊り上げ嘲った。
我輩の魂は…永遠に貴様の物だ」
紙の上の契約のような物を永遠と呼ぶのならば、 それは我々にとっては酷く愚かしい―。 その小さく華奢な肩を撫でるようにそっと手を添えて、 少し震えている唇に、キスをした。
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お互いに待たせてしまっていたんですね。
200806024 狐々音
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